【Oxford Reading Tree】どれを買う？もう悩まない！複雑すぎるシリーズとレベルを徹底解説

日本を含め、世界100ヵ国以上で人気のOxford Reading Tree（オックスフォード・リーディング・ツリー、通称ORT）。

とても種類が多くて、どれを買ったらいいか悩んだことはありませんか。

目次からもわかるように、ORTにはたくさんのシリーズがあって、一見なんだかよくわかりません。

このページでは、種類が多すぎるがゆえの悩みを解決するために、ORT内のシリーズとレベルを一覧化してまとめました。

とにかく種類が多い

ORTの種類がとても多いことはすでに述べました。

とりあえず、有名なBiff, Chip and Kipperシリーズをやっておけばいいか

と思っても、

Biff, Chip and Kipperもいっぱいあるの？！

といった具合で、やっぱりわかりません。

シリーズ別・レベル別に色々なパック（6冊セット）があって、例えば、ビフ、チップ、キッパーのいくつかのシリーズでは、同じレベル内にMore、Patternedなどがあり、さらに謎の多読パック、トランクパック、ブランチパックまであるうえに、AやBまで付いているともう何が何だかわからなくてお手上げ状態でした。

そもそも、同じオックスフォード大学出版局の中で、ORTのほかにもたくさんのシリーズがあるし、ORTの中にもたくさんのシリーズがあって、さらに過去のシリーズや最新のシリーズまであるものだから、これらを横断して選ぶとなるとめまいがしそう。

このページでは、まずORT（2024年2月時点）だけに絞り、ORTの全体を見渡せるように、たくさんあるシリーズとレベルを一覧にしてまとめました。

Oxford Reading Treeの全体的な流れ

ORTは、大まかに以下の流れでステップアップしていきます。
（黄色マーカー部分は私が適当に訳したものです。ご参考までに）

流れとしては、フォニックスの導入から始まり、フォニックスを土台にして本を読み始め、たくさん読んでいくことで徐々に高いレベルの読書を目指します。

参照：Oxford Reading Tree―The magic key to a lifelong love of reading グローバルサイト

リソースと音声

リソースセンター

Oxford Reading Treeは、グローバルサイトも含めて大量のリソースが提供されており、日本のリソースセンター（旧ダウンロードセンター）にも非常に多くのリソースがあります。

ぜひリソースセンターを活用しましょう。

音声の種類

下表に、リソースセンター内のリソースの有無と、音声を再生できる媒体の種類をまとめました。

音声については、CD付き商品があるか、音声の無料ストリーミング再生を利用できるか、Oxford Reading Club（音声を再生可）に収載されているかを掲載しました。

音声を再生する「音声ペン」については次のセクションに記載しました。DVDやテレビ放送については、日本で利用するのが難しそうなので記載しておりません。

無料音声ストリーミングサービス

上の表のとおり、シリーズの中には無料の音声ストリーミングサービスを利用できるものがあります。

音声ストリーミングを利用するには登録（無料）が必要です。My Accountを登録した後、My Audioからご利用ください。

音声ペン

ORT音声ペンと音声シール

音声ペンは、音声ペンの先で本をタッチすると、タッチした所の朗読音声を再生できるものです。

気軽に持ち運べるCD プレーヤーのようなもので、子供一人でも簡単に音声を再生させられるので、とても便利です。

ORT専用音声ペンの詳細については公式サイトをご覧ください。（使い方の動画も観られます。）

この音声ペンを使うには、お手持ちのORT（コアストーリー）の本の各ページに別売の音声シールを貼る必要があります。

あとは音声ペンでシールをタッチすれば、音声を再生できます。ORT（コアストーリー）の本と音声シールのセットも販売されています。

私が持っている音声ペンは、音声をカットする編集作業が大変ですが、これは音声シールを貼るだけなので、とても楽ですね！

韓国の音声ペンとサウンドブック

韓国では、ライセンス商品として販売されている音声ペンとサウンドブックがあり、それが高機能ということで日本人の間でも話題になっているようです。

私も気になるので、調べてみました。

サウンドブックというのは、音声シールを貼らなくても音声ペンを再生できる本のことです。

一見何の変哲もない普通の紙のページに、音声ペンの再生に必要な情報が最初から印刷されているらしく、文字をピッとタッチすると音声が再生されるので、とても不思議です。

読み上げペンのようにスキャナーで文字をなぞる必要はありませんし、反応速度も速いです。

紙がハイテクでびっくり！　私が中・高校生の頃にこの紙の教科書や英単語帳が欲しかった…。

なお、注意点もご確認ください。

韓国の音声ペンとサウンドブックは韓国のSaegaero Education社が作っており、韓国のInbooks社という正規販売店から購入（個人輸入）できます。

なお、言語の壁や、為替レートの変動もありハードルが高いので、慎重にご検討ください。

韓国のサウンドブックの有無は、Inbooks社のウェブサイト（韓国語）をブラウザの翻訳機能を使って調べたものです。

ちなみに、表中にありませんが、ORTのAlien Adventuresシリーズのサウンドブックも販売されているようです。

日本の公式サイトによると、日本の音声ペンは自分で音声をアップデートできるそうですが、韓国の音声ペンはアップデートできるのか不明です。

機能的にはアップデート可能だとしても、韓国語がわからないとアップデートが難しいかもしれないので、韓国版をご検討の方は最新の音声が入っているか確認されたほうが良さそうです。

単語数（ORT語数表）

リソースセンターではORTの語数表も提供されています。

リソースセンターに行き、下記画像の右列にある「ORT Word Count / ORT語数量」（エクセルファイル）をクリックしてください。

ご参考までに、単語数の掲載の有無を下表にまとめました。

Sounds and Letters（新しいシリーズ）以外の全てのシリーズが掲載されています。

また、この表にない過去のORTのシリーズを含め、ほかにも多くのシリーズの単語数が掲載されています。

Oxford Reading Clubに入っているシリーズはどれ？

Oxford Reading Clubには、Level 1 (Stage 1)を除く、コアストーリーとDecode and Developが収載されています。

収載本一覧ページへのリンク

• 　Level 1+
• 　Level 2
• 　Level 3
• 　Level 4
• 　Level 5
• 　Level 6
• 　Level 7
• 　Level 8
• 　Level 9

Oxford Reading Clubについてはこちらに詳しくまとめました。

シリーズ別・レベル別の収載本一覧

以下に、ORTの各書籍をシリーズ別・レベル別にまとめました。

「パック」というのは同じレベルの本をまとめた６冊セットのことで、基本的にORTはパック単位で販売されています。

各シリーズの説明やISBNなどの情報をすぐに見られるように、公式サイトへのリンクも載せました。公式サイト（オンラインショップ）から直接購入することも可能です。

お近くの書店やオンライン書店で購入される際は、公式サイトに掲載されたISBNを控えておくのがおすすめです。

種類が多いうえに旧バージョンなどもあり、販売サイトで検索してもなかなか見つけられなかったものもあるので、ご参考までにAmazonリンクも掲載しました。書籍のイメージもわきやすいかと思います。

1. フォニックスを習おう

【Floppy’s Phonics】 Sounds and Lettersシリーズ

Sounds and Lettersシリーズでは、近年イギリスで推奨されている「シンセティックフォニックス」（体系的フォニックスのイギリスでの呼称）を学び、読み書きにつなげていきます。

現在は、フォニックスと言うとだいたいこのシンセティックフォニックスを指しているようです。

2. フォニックスを練習しよう

【Floppy’s Phonics】 Fictionシリーズ

すでに習ったフォニックスの知識で読むことができるフィクションシリーズ。おなじみのビフ、チップ、キッパーたちが登場します。

【Floppy’s Phonics】 Non-fictionシリーズ

すでに習ったフォニックスの知識を使って読むことができるノンフィクションシリーズ。大人の私も読んでみたいと思うような本がたくさんあります。

Traditional Talesシリーズ

フォニックスを知っていれば自分で完全に読むことができる、世界の有名作品を集めたシリーズ。このシリーズを通してフォニックスのスキルを向上させます。

ちなみに Traditional Tales シリーズは、1パック6冊セットではなく、4冊セットです。

ストリーミング音声はありません。2024年2月現在、日本限定のCD付き全巻パックのTraditional Tales Special Packは、個別に購入する場合（合計47234円）よりも約7％お得です。

3. フォニックスをベースに本を読もう

【Explore with Biff, Chip and Kipper】(Fiction and Non-fiction) シリーズ

同じトピックをフィクションとノンフィクションの両方で読む、ユニークなシリーズ。フォニックスをベースにして読むことができ、新しい知識や発見に出会えます。

各ステージの表の上段（グレー）がフィクション、下段（白）がノンフィクションで、上下で同じトピックです。

Biff, Chip and Kipper Stories【Decode and Develop】シリーズ

フォニックスから読書へと移行するための架け橋とされているシリーズ。言葉の発達を促し、理解力を深めます。通称DD。

前述の韓国のサウンドブックではコアストーリーの位置付けになっていたように、コアストーリーと一緒に使用する人が多いようです。

てっきりコアストーリーが終わった後にやるものだと思っていましたが、コアストーリーの手前のステップだったのですね！

DDを読んだ後に同じレベルのコアストーリーを読み、次のレベルの DD を読んだ後にまた同じレベルのコアストーリーを読むといった具合に進めていくことができます。

DDはコアストーリーと同様にMore Aパックなどがあって少し複雑です。

Workbook

継続的に読解力をレベルアップさせるためのワークブック。基本的には、Explore with Biff, Chip and KipperとDecode and Developシリーズに対応しており、1+～9まであります。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

Story Sparksシリーズ

子どもたちの想像力をかきたてるストーリーで、理解力を伸ばし、深めていきます。絵本だけでなく、コミックを含む様々なフィクションで構成されています。

レベルは1～11まであります。

inFactシリーズ

ノンフィクションのシリーズ。ノンフィクションの読書を通して理解力を深め、読書のスタミナを養います。

レベルは1～11まであり、 レベル11では『Top Ten Worst Jobs in History』が人気のようです（Amazonレビュー参照）。

【ORT辞書】 Oxford Reading Tree Dictionary

My Oxford Reading Tree Dictionary

ORT（キッパーたちのシリーズ）のストーリーの読解をサポートするための辞書。子供たちの読解力を高めるために作られています。

絵本を読んでいるように読めますし、ページをパラパラとめくって眺めているだけでも面白いです。楽しみながらあっという間に600語以上を覚えられます。

統一して Amazon さんを掲載しましたが、多くの書店で取扱いがあります。

私の感覚ですが、レベル的には中学生～くらいかなと感じます。

オックスフォード・リーディング・ツリー絵じてん

初めての辞書としては、より簡単で、300語程度の絵辞典「Oxford Reading Tree Dictionary（オックスフォード・リーディング・ツリー絵じてん）」もおすすめです。公式サイトのリンクはCD付き商品です。

4. より本格的に本を読もう

ORTと言えばこれ！【コアストーリー】Biff, Chip and Kipper Storiesシリーズ

「オックスフォード・リーディング・ツリー」と言えば、このコアストーリーを指していると言ってもよいほど、ORTの代表的な存在。

イギリスの小学校の教科書として有名です。

ORTの中で、こんなに後ろの方だとは思っていませんでした。

1つのレベルにたくさんのパックがあり、それらを集めた大きなパックもあって複雑です。以下の4つの表に、日本で販売されているパックをまとめました。

日本で販売されているスペシャル・パック

個々のパック

レベルを選ぶ際、いきなり難しいレベルをやるよりも、スラスラと読めるくらいの簡単なレベルをやる方が結局は近道になると言われています。

まずは、トランクストーリー（メインストーリー）だけをやってみて、もしレベルが高すぎたら一つ下のレベルに戻って、ブランチストーリーをやるのが良いそうです。

5. 次に何を読む？

All Starsシリーズ

Level 9～12のフィクションシリーズ（全60冊）。ORTの中では上級レベルで、読解力をさらに高めます。

日本の公式ストアでは販売されていませんが、洋書店、オンライン書店などで購入することができます。

参考：グローバルサイト（英語）

【コアストーリーの続編】TreeTops: Time Chroniclesシリーズ

Time Chroniclesシリーズは、ビフ、チップ、キッパーたちが成長した後の続編シリーズ。

コアストーリーのStage 9の終了後、もっと上のレベルまで読みたい方におすすめです。

なお、日本の公式サイトでは販売終了のため、2024年2月現在はStage 12+パックのみ購入可能です。オンライン書店などではまだまだ購入できるようです。

このシリーズはステージ番号の変更があり、新版と旧版とで番号が違うので、ご注意ください。

なお、コアストーリーの続編であるTime Chroniclesシリーズはステージ11+～13+ですが、TreeTopsシリーズ全体ではステージ8～20まであります。

さいごに

以上、オックスフォード・リーディング・ツリーについてまとめてみました。

個人的には、意外とフォニックスを練習すること、そしてフォニックスをベースに本を読むこと（phonics-based reading）に力を入れていると感じました。

全体の大きな割合をこの “phonics-based reading” のシリーズが占めています。

ORTは、フォニックスから本格的な読書へと移行中の子供向けのシリーズといってもよさそうです。

うちの子は英語を習い始めの段階でして、発音もこれからというところなので、朗読音声があるのは助かります。

せっかく、無料の音声ストリーミングサービスや豊富なリソースを提供してくれているので、ぜひ活用させていただこうと思っています。

私は、子供と一緒に英語の勉強をやり直したばかりですが、いつかORTの主要なシリーズを読破してみたいです。

このページを読んでくださった方々。ぜひ一緒に英語で本を読んで、日本語だけでは得られなかったものの見方や知識などを身に付けていきましょう。